向山裕(1984年ー)
兵庫県出身。2004年大阪美術専門学校絵画専攻卒業。国内外で作品を発表し、100号~120号の巨大なキャンバスに実際には指先ほどの小さな生物を精密なタッチでリアルに描き注目を集めました。
珍しい海洋生物 や動物 などを独特の世界観で緻密に描く向山 。その興味は自然界と生命の循環、一瞬で繰りかえされる美しくも儚い現象の不可思議さにあるようです。緊張感あふれる作品からは彼らから届けられる様々なメッセージへの畏敬の念が感じられます。
観想
¥187,000価格
タイトル:観想
技法:油彩、キャンバス 年代:2018年
サイズ:S10 / 530×530mm
価格:¥170,000(税別)
《作家コメント》
ソデイカが浜に打ち上げられた姿です。死滅回遊の結果です。ソデイカは暖海のイカですが、海流に乗って北に流され、寒さで冬を越せず、南下する泳力もなく、まとめて死滅します(これを死滅回遊といいます)。平安時代末期に、末法思想を背景として補陀落渡海が流行したことがあります。僧侶が自身を小舟に密閉し、浄土があるとされる南海に流すという即身成仏の一種です。これはその逆イメージで、海から陸への補陀落渡海です。このイカはまだ息があり、擬人化して言えば観想念仏に専念し、浄土を観じているところです。