『夏の鏡』 に寄せて
連作のタイトルでもある『夏の鏡』は佐々木幸綱の歌に借りた。
「詩歌とは真夏の鏡、火の額を押し当てて立つ暮るる世界に」
万葉から今にいたるまでのあらゆる歌から一首を選べといわれれば、これを選んでためらわない。心密かに、「詩歌」を「版画」に置き換え口ずさんできた。版画は私の夏の鏡である。黄楊の横断面に額を押し当てて火照りを冷ましてきたように、その昔磨かれて鏡となった銅の肌に、しばらくは額を押し当てて立とうと思う。暮るる世界の加速を背に感じながら。 柄澤齊
柄澤齊 夏の鏡ー鏡の旅
¥63,800価格
柄澤齊 夏の鏡ー鏡の旅
銅版画連作「夏の鏡」より
作品サイズ:90×118mm
額入りサイズ:307×397mm
技法:銅版画
¥58,000(税別)/額込みの価格です。