常 設 展
会期:2021年4月12日[月]— 4月28日[水]
開廊時間 11:00-18:30 日曜休廊
《出品作家》
有元利夫
井出創太郎
大平弘
加納光於
川崎毅
黒田泰蔵
小池頌子
篠田桃紅
菅野由美子
宮崎進
李禹煥
谷川晃一
奈良美智
山中現
有元利夫 ARIMOTO Toshio
岡山県生まれ。1969年東京藝術大学美術学部デザイン科に入学。在学中に渡欧した際、イタリアのフレスコ画に強く感銘を受けフレスコ画と日本の仏画に共通点を見出し、岩絵具を用いることを決心します。1978年「花降る日」で安井賞特別賞を受賞。1981年には「室内楽」にて第24回安井賞を受賞。バロック音楽が聞こえてくるような作品群は、古典絵画のような風合いと静謐な時間に満ちています。
加納光於 KANO Mitsuo
加納 光於(1933年 - )
10代後半から植物や微生物の形態に深く関心を寄せ、さらにフランス近代詩を耽読します。19歳の時には、古書店で偶然版画の技法書を手にしたことをきっかけに独学で銅版画の制作をはじめ、1955年で初の銅版画集『植物』(私家版・限定8部)を刊行、翌年には詩人で美術評論家の滝口修造の推薦により初の個展を開催、以降次々と版画による実験的、独創的表現を展開していきました。1959年にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレでリュブリアナ近代美術館賞を受賞、以後内外の国際展で受賞を重ねています。
1969年ころから函形立体のオブジェ作品を制作。1976年よりデカルコマニーを利用したリトグラフ連作『稲妻捕り』に没頭、1980年油彩画のはじめての作品群を個展『胸壁にて』として発表しました。
宮崎進 MIYAZAKI Shin
42年、日本美術専門学校を繰り上げ卒業のちに召集され、第二次世界大戦後、捕虜となりシベリアの収容所で4年間の抑留生活を送った。
帰国後に画家として本格的な活動をスタートし、少年時代の思い出をベースとした《見世物芸人》や、芝居小屋やサーカスがモチーフの「旅芸人シリーズ」を発表。1967年「見世物芸人」で安井賞、1998年芸術選奨文部大臣賞受賞。
90年代には、過酷な抑留生活の記憶の象徴として、麻布や新聞紙を用いた絵画を手がけ、人間や生命に対する強い感情を表現してきた。
シベリア抑留の記憶を起点に、絵画や立体作品を通して人間・生命に向き合い続けた。
篠田桃紅 SHINODA Toko
中国・大連に生まれる。5歳の時、父の手ほどきで初めて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。第二次世界大戦後、文字を解体し墨で抽象を描き始める。1956年渡米しニューヨークを拠点にボストン、シカゴ、パリ、シンシナティ他で個展を開催。58年に帰国後は壁画や壁書、レリーフといった建築に関わる仕事や、東京・芝にある増上寺大本堂の襖絵などの大作の一方でリトグラフや装丁、題字、随筆を手掛けるなど、活動は多岐にわたった。1950年代の激しい筆致はやがて叙情性をたたえ、80年代から90年代にかけては、線はより洗練された間を構成していった。
谷川晃一 TANIGAWA Koichi
谷川 晃一(1938年 - )
東京都生まれ。画家、エッセイスト、美術評論家、絵本作家。
60年代から「読売アンデパンダン展」などに出品し、ハイレッドセンターやネオダダのメンバーと一時活動をともにするなど当時の前衛美術の流れの中、国内外の画廊、美術館で発表。初期の文明批評的視点を含んだシャープでミステリアスな作風から、伊豆高原への移住などを経てプリミティブなものに作風が変化。「伊豆高原アートフェスティバル」を立ち上げイベントを成功させました。
近年の「雑木林シリーズ」では、海外を旅して影響を受けたプリミティブな要素も含み、人と自然が同化する不思議な心地よさを感じさせます。