
みたてやつし
2026年9月24日[木]-10月17日[土]
開廊時間:11:00ー18:30 日曜祝日休廊
【出品作家】
大成哲
柄澤齊
柴田龍平
菅野由美子
中島勝乃利
奈良美智
宮崎郁子
向山裕
森村泰昌
「見立て」「やつし」は日本の文化の根底にある美意識のひとつであり、古くから芸術表現に用いられてきました。
例えば縄文人は自然の力を借り、目には見えない宗教的根源を土器や土偶として見立て、また弥生時代から古墳時代においては、そこへ高揚心と繊細さを加えて埴輪を造形し、さらに仏教伝来後は、埴輪的昂揚を引き継いだ天平の彫刻群を創り出しました。
日本人は古くから外からもたらされた異文化を柔軟に受け入れ、それを日本的な感覚によって再解釈することで、新たな意味や価値を生み出してきました。
このような「見立て」の精神は、能や茶の湯などの伝統文化の中で育まれ、その後浮世絵や歌舞伎といった大衆的な芸術や芸能へと広がりを見せます。
時代の変化とともに、この傾向はさまざまな文化へと広がりを見せ、現代の芸能や美術、サブカルチャーに至るまで「見立て」を楽しむ文化として受け継がれています。
古代から現代に至るまで日本の文化には、目の前にあるものをそのまま受け取るのではなく、別のものになぞらえ、そこに新たな意味見いだし面白さを味わう「幽玄の美」の感覚が息づいています。
作品の見方を転換させ、想像力を介して新たな視点やユーモアへと導く作品の数々をどうぞお楽しみ下さい








大成哲
Manebi まねびNo.6
2011年/glass, mirror, epoxy-2pieces
「まねび(Manebi)」という日本語は、「学び(Manabi)」と「真似(Mane)」を組み合わせた造語。 作品の一方は一発の銃弾によって生じた自然な亀裂、もう一方はその亀裂の線を模してガラス板に彫刻を 施したもの。自然美と人工美の対比を一対二点のガラス彫刻として「Manebi」という概念を表現した作品。
柄澤齊 KARASAWA Hitoshi
『傾草紙』は神話伝説の中の英雄や姫、聖者などを「見立て」や「やつし」を用いて、歌舞伎的世界に仕立てられた版画集。
作者手染め和紙で摺るなど外連味あふれる作品。
『ZIPANGU』は日本の昔話を西欧絵画の知られた画にもとづいてカリカチュアされた版画集。

2001年/木口木版15葉/作者手染め和紙摺り

― 日本の昔話による10 のカリカチュア ― 2001年/木口木版10葉

2001年/木口木版15葉/作者手染め和紙摺り

2022年 Oil on canvas 456×911mm

2023年 Oil on canvas 456×911mm

2022年 Oil on canvas 456×911mm
菅野由美子 SUGANO Yumiko
「five_16」は、ウクライナとロシアの戦争が始まった2022年に描かれた作品。灰色の世界にそれぞれの国の器がチェス盤を囲んで配されている。
「seven_4」は、その翌年2023年に希望を込めて描かれた作品で、画面は明るく光に包まれたような色合いで、様々な国の器たちが横並びに平和を讃えている
宮崎郁子 MIYAZAKI Ikuko
ウィーンの世紀末転換期の画家エゴン・シーレの絵画を主題として人形を制作。
単に絵画の登場人物を造形としてなぞるのではなく、シーレに寄り添い、モデルたちに触れ、対話するようにかたちづくられています。
シーレが生きた時代は、装飾的で煌びやかな文化の中に、人間の不安や恐れが交錯し、社会全体が大きなうねりの中にありました。そして、私達が生きる混沌とした現代に、時空を超えて重なり合います。
普遍的な生と死のかたちに思いを巡らせ、作品に宿ることばを感じて頂ければ幸いです。


