本展は前期と後期に分けて、様々な素材や技法とが出会うことから生まれる幅広い版表現 の魅力を紹介いたします。 1970年代に版画の可能性を問うような動きが生まれ「版画概念の拡大」が唱えられるようになり ました。版表現は、時代の変遷とともに新しいメディアと繋がり、脈々と変化しています。

作品とその作り手、そして作品と「私」との間に生まれる対話は、様々な視点で顧みるきっかけ を作ってくれます。

時に作品と私との関係が変化し、それらが持つ意味も少しずつ変化して いくのかもしれません。作品にうつし出された刻に思いを巡らせ、それぞれの「あわい」を 感じて頂ければ幸いです。